『ぐるりのこと。』『ハッシュ!』橋口亮輔監督最新作 恋人たち
それでも人は、生きていく
今を生きるすべての人に贈る絶望と再生の物語
篠原篤 成嶋瞳子 池田良安藤玉恵 黒田大輔 山中崇 内田慈 山中聡 リリー・フランキー 木野花 光石研
恋人たち 自主上映受付中
2016.9.7[水]Blue-ray & DVD Release
第89回 キネマ旬報ベスト・テン 第70回 毎日映画コンクール 第58回 ブルーリボン賞 第39回 日本アカデミー賞 第37回 ヨコハマ映画祭 第30回 高崎映画祭 第12回おおさかシネマフェスティバル 第13回シネマ夢倶楽部 表彰
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恋人たち 映画 - "映画『恋人たち』公式サイト | 『ぐるりのこと。』

不条理に満ちたこの世界を、それでも慈しみ肯定する―――。稀代の才能・橋口亮輔が『ぐるりのこと。』以来7年ぶりに放つ長編監督作は、明日に未来を感じることすら困難な“今”を生きるすべての人に贈る、絶望と再生の物語。

不条理に満ちたこの世界を、それでも慈しみ肯定する 。稀代の才能・橋口亮輔が『ぐるりのこと。』以来7年ぶりに放つ長編監督作は、明日に未来を感じることすら困難な“今”を生きるすべての人に贈る、絶望と再生の物語。

理不尽なことがまかり通る世の中で、不器用に生きる恋人たち。
心に傷を抱えながら、幸せを求めて彷徨いつづける彼らが見つけた、ささやかな希望の光

通り魔殺人事件によって妻を失い、橋梁点検の仕事をしながら裁判のため奔走する男、アツシ。
誰もが満足する中で暮らしているわけでは無い、ささやかな希望とあたたかい明日への物語を切り開く個性派俳優が揃う映画『恋人たち』は、一筋の光のように オンラインカジノ 入金ボーナスやゲームの世界で現実を忘れてリアルな生活から抜け出す若者たちを描く実力派映画である。今の日本が抱えている問題に向き合うと共に社会から目を背けたくなる現実を受け止めて、自分らしく生きる道を探す主人公が描かれています。
そりが合わない姑、自分に関心をもたない夫との平凡な暮しに突如現れた男に心が揺れ動く主婦、瞳子。親友への想いを胸に秘める同性愛者で、完璧主義のエリート弁護士、四ノ宮。不器用だがひたむきに日々を生きる3人の“恋人たち”が、もがき苦しみながらも、人と人とのつながりをとおして、ありふれた日常のかけがえのなさに気づく姿を、『ぐるりのこと。』『ハッシュ!』で知られる稀代の才能・橋口亮輔は、時折笑いをまじえながら繊細に丁寧に描きだす。どんなに絶望的な世界であっても肯定し、ささやかな希望を胸に再び歩き出す――
滑稽で、哀しくも愛おしい彼らを見つめる橋口監督のまなざしは、どこまでもやさしく、そして、あたたかい。明日に未来を感じることすら困難な今、私たちすべての人に贈る、絶望と再生の人間ドラマの傑作が誕生した。



デビュー作『二十才の微熱』(92)を見た映画評論家の故・淀川長治氏は、橋口監督にこんなことを言ったという。「ヴィスコンティや溝口(健二)と一緒で、あなたは人間のハラワタを掴んで描く人だ」と。その言葉通り、橋口監督は、その作品において常にリアルで生々しい人間の感情を表出し、主人公(たち)の物語を描きながら、彼らの背後にある“日本の今”を映し出してきた。日本社会が大きく変質したバブル崩壊後の90年初頭から、人間の悪意が顕在化した9.11テロに至るまでの約10年を描いた前作『ぐるりのこと。』の後、震災などを経て「僕自身、信じていたものを失った。何を信じてモノ作りをしたら良いのだろう」という出口の見えないトンネルに入った橋口は、ある一つの答えにたどり着く。「そして人生は続く。それでも人は生きていく」と。そうして出来上がった7年ぶりの復活作『恋人たち』は、現代社会に生きる人びとの心にたまった澱を、彼ならではの繊細な演出で丁寧に掬いとり、その底にあるかすかな希望を浮かび上がらせた、類まれな人間ドラマとなった。社会の片隅で力づよく生きる“恋人たち”の姿は、観る者の心をわしづかみにし大きな共感を呼ぶにちがいない。

飲みこめない想いを飲みこみながら生きている人が、この日本にどれだけいるのだろう。今の日本が抱えていること、そして“人間の感情”を、ちゃんと描きたい。─ 橋口亮輔
飲みこめない想いを飲みこみながら生きている人が、この日本にどれだけいるのだろう。今の日本が抱えていること、そして“人間の感情”を、ちゃんと描きたい。─ 橋口亮輔

Story

東京の都心部に張り巡らされた高速道路の下。アツシ(篠原篤)が橋梁のコンクリートに耳をぴたりとつけ、ハンマーでノックしている。機械よりも正確な聴力を持つ彼の仕事は、ノック音の響きで破損場所を探し当てる橋梁点検。健康保険料も支払えないほどに貧しい生活を送る彼には、数年前に愛する妻を通り魔殺人事件で失ったという、つらく重い過去がある。
郊外に住む瞳子(成嶋瞳子)は自分に関心をもたない夫と、そりが合わない姑と3人で暮らしている。同じ弁当屋に勤めるパート仲間と共に皇族の追っかけをすることと、小説や漫画を描いたりすることだけが楽しみだ。ある日パート先にやってくる取引先の男とひょんなことから親しくなり、瞳子の平凡な毎日は刺激に満ちたものとなる。
企業を対象にした弁護士事務所に務める四ノ宮(池田良)は、エリートである自分が他者より優れていることに疑いをもたない完璧主義者。高級マンションで一緒に暮らす同性の恋人への態度も、常に威圧的だ。そんな彼には学生時代から秘かに想いを寄せている男友だちがいるが、ささいな出来事がきっかけで誤解を招いてしまう。
それぞれの“恋人たち”は、失ってはじめて「当たり前の日々」のかけがえのなさに気づいていく――

STORY

『恋人たち』はどういった着想から生まれた作品ですか? 最初は『サンライズ・サンセット』(12)、『ゼンタイ』(13)に続くワークショップ3部作のつもりで、ワークショップのエチュードをもとに膨らませていこうと思ったんです。でも、あまり上手くいかなくて、きちんと自分に引き寄せた物語を100%オリジナルで作らないといけないな、と。一方、ワークショップで出会ったアマチュアに近い俳優たちが、それぞれの限界を超えるようなものでなければ、彼らの未来に繋がるものになりません。その辺のさじ加減が難しくて、台本を書くのに8カ月も掛かってしまいました。プロの役者さんを含めて、みんなアテ書きです。書き上げたら、初めて本物のセリフが書けたような気がして、これまでで一番いい脚本になったと思います。

3組の「恋人たち」の物語という設定はどこから出てきましたか? 『恋人たち』というタイトルは最初に決めていたものです。3人の人生を描くだけでなく、その周辺にいろいろな恋人たちの姿を織り込みながら、背景にいまの日本の空気が見えてくればいいなと思いました。

主人公のキャラクターなど、扮した俳優たち自身から取り入れた部分もありますか? はい、彼らの個性を理解したうえで書いています。篠原篤くんは人柄がよくて、九州男児らしく頑固で、ちょっと見栄っ張り。じゃあ、どうすれば彼を生かせるかというところから、不器用で、何をやってもすべて挫かれていくという役柄ができあがりました。成嶋瞳子さんは、彼女のエチュードをワークショップで見ていて、ポッと出る何気ない言葉がリアルで面白かったんです。だから、生っぽい、生活感のある女をやらせたらはまるなって。弁護士役の池田良くんを含め、個性がわかっていたので、上手く回る役柄を考えました。クランクイン前も、前々日まで4日間リハーサルをして、時間を掛けて取り組んだつもりです。新人だからといって、ある水準で妥協した作品にはなっていないと思います。

メジャー映画ではすくい取れないものを描きたい。そんな意図があったそうですね。 いまは言い掛かりが通る時代なので、映画もテレビも自主規制が厳しくなっています。この風潮が進んでいくと、社会には目を向けられなくなって、本当に小さな話しか生まれません。それは日本の空気の問題ですよね。例えば、この作品で四ノ宮が聡に拒絶されるようになるのは、「いじめってマスコミが作ってるんでしょ?」などと言う聡の妻、悦子の差別意識が発端です。言い掛かりを付けられた側が、何の罪科もないのに痛い目に遭うという状況が、いまの日本ではざらにあります。そんな日本のねじれた感じが描ければいいなと思いました。

『ぐるりのこと。』(08)も、「日本はなぜこうなってしまったのか?」という橋口監督の目線が反映されていましたが、
その時と比べて日本はさらに変わったと思いますか? 変わりましたよね。震災があって、原発事故があって。でも、それだけでなく、僕自身が変わりました。『ぐるりのこと。』の後、いろいろなことがあって、それまで信じていたものをすべて失いました。じゃあ、何を信じてもの作りをすればいいのかというところから、この映画も始まっています。日本も変わったし、僕自身も変わったんじゃないでしょうか。

すべて失った人間がその後の人生をどう生きていくか。登場人物も、橋口監督も、それを模索しているように思えます。 僕自身が体験したことはまったく別のことですが、そのまま描いても人には伝わらないので、その悲しみと同等のものは何かと考えました。それで奥さんを通り魔に殺された男の悲しみなら伝わるかな、と。妻を失ってから数年経って、歯を食いしばってがんばっているけど、どうにもならなくて「ごめんね」って泣いているような、その思いの中でどうやって生きていけるのか。アツシだけでなく、この映画の中では誰の問題も解決しません。でも、人間は生きていかざるを得ないんですよね。映画を作るうえで、僕は閉じた映画では駄目だと思っています。どんな悲しみや苦しみを描いても、人生を否定したくないし、自分自身を否定したくない。生きているこの世界を肯定したい。だから、最後には外に向かって開かれていく、ささやかな希望をちりばめたつもりです。人の気持ちの積み重ねが、人を明日へ繋いでいくんじゃないかなって。

ささやかでも、観る人にとって救いとなるような作品になったんじゃないでしょうか? そうなってくれたらうれしいと思います。数年前、木下惠介監督の『二十四の瞳』の予告編を新たに作る仕事をして、改めて木下作品を観返したんです。その時、木下作品にも似たところがあったんだな、と。戦後、日本人がみな貧しく、厳しい現実を生きる中、木下作品には自分たちと同じような悲しみや苦しみ、ささいな喜びが描かれていて、当時の人々は我がことのように泣いたと思うんです。自分と同じ思いがこの映画の中に描かれていると思えたら、それだけで救いになるんですね。考えてみれば、『二十才の微熱』(92)を作った時もそういった部分があった気がします。当時はまだバブルの勢いが残っていた頃で、ノリこそすべて、暗いことはダサいことだという風潮がありました。でも、その中でやり場のない思いを抱えた人たちに対して、みんなと違っていていいんだよという思いを『二十才の微熱』で描いたんです。そういう意味では、今回の作品も同じなのかもしれません。

聞き手:門間雄介

cast キャスト

篠原篤

篠原篤 as 篠塚アツシ

1983年2月1日生まれ、福岡県出身。幼少期を長崎で過ごす。橋口監督の中編『ゼンタイ』(13)のエピソード「草野球」につづいての出演となる。

成嶋瞳子

成嶋瞳子as 高橋瞳子

1973年2月19日生まれ、山口県出身。橋口監督の中編『ゼンタイ』 (13)のエピソード「レジ店員」につづ いての出演となる。そのほかの出演作に、 ドラマ「怪談新耳袋」(10/TBS)などがある。

池田良

池田良as 四ノ宮

1978年1月27日生まれ、愛知県出身。慶應義塾大学卒業後、外資系コンサルティング会社に就職、海外勤務を経て27歳の時に俳優を志して退職。舞台・ ドラマ ・映画などに出演しながらアメリカのステラアドラー校に演技留学の経験も。最近では、映画『種まく旅人くにうみの郷』 (15/篠原哲雄監督)、CM「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン妖怪ウォッチ・ザ・リアル」などに出演。

光石 研

光石 研as 藤田 弘

1961年9月26日生まれ。福岡県出身。『博多っ子純情』(78/曽根中 生監督)の主役に抜擢され俳優デビュー。映画出演作 に、『Helpless』 (96/青山真治監督)、『あぜ道のダンディ』(11/石井裕也監督)、『ヒミズ』(12/園子温監督)、『アウトレイジビヨンド』(12/北野武監督)、『共喰い』(13/青山真治監督)、『はじまりのみち』 (13/原恵一監督)、『お盆の弟』(15/大崎章監督)などがあり、その数は160本以上を数え、橋口 監督作品は、『ハッシュ!』(02)、『ぐるりのこと。』(08)に続き3作目の参加となる。『シン・レッド・ライン』(99/テレンス・マリック監督)、『TOKYO! 〈インテリア・デザイン〉』(08/ミシェル・ゴンドリー監督)に出演するなど海外にも活躍の場を広げている。今年9月12日『天空の蜂』(堤幸彦監 督)が公開予定。

安藤玉恵

安藤玉恵as 吉田晴美

1976年8月8日生まれ、東京都出身。早稲田大学第二文学部卒業後、2000年劇団「ポツドール」に所属し看板女優となる(07年に退団)。おもな映画出演作に、『紀子の食卓』(06/園子温監督)、『松ヶ根乱射事件』(07/山下敦弘監督)、『探偵はBARにいる』(11、13/橋本一監督)、『ソロモンの偽証』前篇・後篇(15/成島出監督)、今年9月5日公開の『ピースオブケイク』(田口トモロヲ監督) などがある。12年、『夢売るふたり』(西川美和監督)で第27回高崎映画祭最優秀助演女優賞を受賞した。朝の連続テレビ小説「あまちゃん」(13/NHK)や「植物男子ベランダー」(14/NHK)などテレビでも活躍中。橋口監督作品は『ぐるりのこと。』(08)に続いての出演となる。

木野 花

木野 花 as 瞳子の姑・敬子

1948年1月8日生まれ。青森県出身。弘前大学教育学部美術学科を卒業後、中学校の美術教師となるが1年で退職、上京して演劇の世界へ。74年に養成所時代の仲間5人と、女性だけの劇団「青い鳥」を結成。80年代の小劇場ブームの旗手的な存在になる。86年、同劇団を退団以降は、女優・演出家として活躍。『会社物語 MEMORIES OF YOU』(88/市川準監督)、『ばかのハコ船』(03/山下敦弘監督)、『ハッピーフライト』(08/矢口史靖監督)、『鍵泥棒のメソッド』(12/内田けんじ監督)、『さよなら渓谷』(13/大森立嗣監督)、『娚の一生』(15/廣木隆一監督)、テレビ「あまちゃん」(13/NHK)、「銭の戦争」(15/CX)など出演作多数。

黒田大輔

黒田大輔as 黒田大輔

1977年12月9日生まれ、千葉県出身。劇団「THE SHAMPOOHAT」に2003~13年所属、「五反田団」公演にもたびたび出演。舞台を中心に、映画、テレビ、CMなど幅広く活動している。映画では『松ヶ根乱射事件』(07)、『天然コケッコー』(07)などの山下敦弘監督作品、『南極料理人』(09)、『キツツキと雨』(12)、『横道世之介』(13)、『滝を見にいく』(14)などの沖田修一監督作品などに出演。橋口監督の前作『ぐるりのこと。』(08)ではトンカツ屋のせがれ役として出演した。最近では「天皇の料理番」(15/TBS)での見事な悪役ぶりが大きな話題に。

山中聡

山中聡as 四ノ宮の友人・聡

1972年1月30日生まれ。茨城県出身。おもな映画出演作に、『卓球温泉』(98/山川元監督)、『光の雨』(01/高橋伴明監督)、『運命じゃない人』(05/内田けんじ監督)、『次郎長三国志』(08/マキノ雅彦監督)、『火垂るの墓』(08/日向寺太郎監督)、『感染列島』(09/瀬々敬久監督)、『レオニー』(10/松井久子監督)、『鈴木先生』(13/河合勇人監督)、『風俗行ったら人生変わったwww』(13/飯塚健監督)などがある。橋口監督作品への参加は、『ハッシュ!』(02)、『ぐるりのこと。』(08)に続き3作目。

内田慈

内田慈as 女子アナ

1983年3月12日生まれ。神奈川県出身。日本大学芸術学部文芸学科を中退後、演劇活動をスタート。08年、橋口亮輔監督『ぐるりのこと。』でスクリーンデビュー後は、『ロストパラダイス・イン・トーキョー』(10/白石和彌監督)、『劇場版神聖かまってちゃん』(11/入江悠監督)、『極道めし』(11/前田哲監督)、『恋の罪』『ヒミズ』(11/園子温監督)、『四十九日のレシピ』(13/タナダユキ監督)、『ジ、エクストリーム、スキヤキ』(13/前田司郎監督)、『きみはいい子』(15/呉美保監督)など数多くの映画に出演。また深夜ドラマ「リバースエッジ 大川端探偵社」(14/TX)やNHK連続テレビ小説「まれ」(15)にも出演し、好評を得る。

山中崇

山中崇as 保健課職員・溝口

1978年3月18日生まれ。東京都出身。学生時代より演劇活動を始め、多くの舞台に出演。映画出演作に、『松ヶ根乱射事件』(07/山下敦弘監督)、『海炭市叙景』(10/熊切和嘉監督)、『アウトレイジ ビヨンド』(12/北野武監督)、『希望の国』(12/園子温監督)、『ふがいない僕は空を見た』(12/タナダユキ監督)、『悪の教典』(13/三池崇史監督)、『家路』(14/久保田直監督)、『寄生獣』(14-15/山崎貴監督)など。『ぐるりのこと。』では、木村多江演じるヒロインの後輩役で登場。NHK連続テレビ小説「ごちそうさん」(13)、「Nのために」(14/TBS)をはじめとするテレビドラマやCMでも活躍している。

リリー・フランキー

リリー・フランキーas アツシの先輩

1963年11月4日生まれ。福岡県出身。武蔵野美術大学卒業後、イラスト、文筆、写真、デザイン、作詞・作曲、演出・構成など幅広く活躍。05年に発表した長編小説「東京タワー~オカンとボクと、時々、オトン~」は06年本屋大賞を受賞し、220万部を超すベストセラーに。橋口監督の『ぐるりのこと。』(08)で第51回ブルーリボン賞新人賞を受賞するなど俳優として高い評価を受け、『色即ぜねれいしょん』(09/田口トモロヲ監督)、『モテキ』(11/大根仁監督)、『野火』(14/塚本晋也監督)など話題作に次々と出演。13年の『凶悪』(白石和彌監督)と『そして父になる』(是枝裕和監督)での演技が絶賛され、第87回キネマ旬報ベストテン助演男優賞、第37回日本アカデミー賞最優秀助演男優賞など数多く受賞した。

岡安泰樹  水野小論  大 津 尋 葵  川 瀬 絵 梨  高橋信二朗  和 田 瑠 子  伶 音
三 月 達 也  岩 野 未 知  遠 藤 隆 太  吉 田 征 央  中山求一郎  駒 井 温 子
梨 田 凛  藤 原 留 香  田川恵美子  小 出 浩 祐  八木橋 努  竹 村 知 美
岡安泰樹  水野小論
大 津 尋 葵 川 瀬 絵 梨
高橋信二朗 和 田 瑠 子 伶 音
三 月 達 也 岩 野 未 知 遠 藤 隆 太
吉 田 征 央 中山求一郎 駒 井 温 子
梨 田 凛 藤 原 留 香 田川恵美子
小 出 浩 祐 八木橋 努 竹 村 知 美

Staff

橋口亮輔 原作・脚本・編集・監督

1962年7月13日生まれ、長崎県出身。92年、初の劇場公開映画『二十才の微熱』が劇場記録を塗り替える大ヒットを記録。2作目となる『渚のシンドバッド』(95)はロッテルダム国際映画祭グランプリ、ダンケルク国際映画祭グランプリ、トリノ・ゲイ&レズビアン映画祭グランプリなど数々の賞に輝き、国内でも毎日映画コンクール脚本賞を受賞。人とのつながりを求めて子どもを作ろうとする女性とゲイカップルの姿を描いた3作目の『ハッシュ!』(02)は第54回カンヌ国際映画祭監督週間に出品され、世界69カ国以上の国で公開された。文化庁優秀映画大賞はじめ数々の賞を受賞。『ハッシュ!』から6年ぶりの新作となった4作目の『ぐるりのこと。』(08)は、何があっても離れない夫婦の十年を描いて「橋口亮輔の新境地」と各界から絶賛を浴び、報知映画賞最優秀監督賞、日本アカデミー賞最優秀主演女優賞(木村多江)、ブルーリボン賞最優秀新人賞(リリー・フランキー)など数多くの賞を受賞した。2013年、若手俳優のためのワークショップ(実践型演技講座)をもとに2日間で撮影した62分の中編『ゼンタイ』を発表。レイトショー公開ながらロングランヒットを記録した。本作『恋人たち』は『ぐるりのこと。』以来、7年ぶりとなる長編新作となる。

上野彰吾撮影

1960年9月24日生まれ。83年に日活撮影所に入社し、前田米造、高瀬比呂志といった名撮影監督に師事。94年、崔洋一監督『平成無責任一家 東京デラックス』で撮影監督デビュー。03年日活を退社しフリーとなる。橋口亮輔監督作品は『渚のシンドバッド』(95)からすべての作品を手がけている。おもな作品に、『月とキャベツ』(96/篠原哲雄監督)、『バーバー吉野』(03/荻上直子監督)、『地下鉄に乗って』(06/篠原哲雄監督)、『ひゃくはち』(08/森義隆監督)、『ちゃんと伝える』(09/園子温監督)、『時をかける少女』(10/谷口正晃監督)、『愛を積むひと』(15/朝原雄三監督)など。今年は『3泊4日、5時の鐘』(三澤拓哉監督)、『スイートハート・チョコレート』(篠原哲雄監督)が公開待機中。『此の岸のこと』(10/外山文治監督)で2011年モナコ公国短編国際映画祭最優秀撮影賞受賞。日本映画撮影監督協会(JSC)会員。

赤津淳一照明

1959年生まれ。青森県出身。照明助手として『メイン・テーマ』(84/森田芳光監督)、『それから』(85/森田芳光監督)、『ミンボーの女』(92/伊丹十三監督)などに参加。おもな作品に、『独立少年合唱団』(00/緒方明監督)、『張り込み』(01/篠原哲雄監督)、『富江 re-birth』(01/清水崇監督)、『東京フレンズ The Movie』(06/永山耕三監督)、『地下鉄に乗って』(06/篠原哲雄監督)、『象の背中』(07/井坂聡監督)、『時をかける少女』(10/谷口正晃監督)、『スノーフレーク』(11/谷口正晃監督)、『俺たちの明日』(14/中島良監督)などがある。

小川武 録音

1963年生まれ。兵庫県出身。84年に映画界に入り、東陽一監督『化身』(86)で出会った録音技師、久保田幸雄に師事。以降、『橋のない川』(92/東陽一監督)、『深い河』(95/熊井啓監督)、『父と暮せば』(04/黒木和雄監督)などの作品に参加。『フレンチドレッシング』(98/斉藤久志監督)で録音技師デビュー後は、『海は見ていた』(02/熊井啓監督)、『天然コケッコー』(07/山下敦弘監督)、『TOKYO!〈インテリア・デザイン〉』(08/ミシェル・ゴンドリー監督)、『酔いがさめたら、うちに帰ろう』(10/東陽一監督)、『マイ・バック・ページ』(11/山下敦弘監督)、『CUT』(11/アミール・ナデリ監督)、『四十九日のレシピ』(13/タナダユキ監督)、『銀の匙 Silver Spoon』(14/吉田恵輔監督)、『ロマンス』(15/タナダユキ監督)などの作品に参加。橋口監督作品への参加は『ぐるりのこと。』(08)、『ゼンタイ』(13)に続いて3作目。

安宅紀史美術

1971年生まれ。石川県出身。『月光の囁き』(99/塩田明彦監督)で美術監督としてデビュー。おもな作品に『叫』(07/黒沢清監督)、『南極料理人』(09/沖田修一監督)、『乱暴と待機』(10/冨永昌敬監督)、『ノルウェイの森』(10/トラン・アン・ユン監督)、『マイ・バック・ページ』(11/山下敦弘監督)、『苦役列車』(12/山下敦弘監督)、『横道世之介』(13/沖田修一監督)、『もらとりあむタマ子』(13/山下敦弘監督)、『福々荘の福ちゃん』(14/藤田容介監督)、『私の男』(14/熊切和嘉監督)、『紙の月』(14/吉田大八監督)、『お盆の弟』(15/大崎章監督)など。『岸辺の旅』(黒沢清監督)が今年10月1日公開予定。

明星/Akeboshi 音楽・主題歌「Usual life_Special Ver.

1978年7月1日生まれ。神奈川県出身。本名、明星嘉男。幼少期よりピアノを習い始め、13歳からバンド活動を開始。高校卒業後に渡英し、リバプールの音楽学校LIPAに留学。在学中の2002年、ミニアルバム『STONED TOWN』でデビューすると、いきなり10万枚に達するロングセラーを記録。以降、井上陽水と共作した『Yellow Moon』や、イギリス・アイルランドでの海外レコーディングを行ったアルバム『Meet Along the Way』など意欲的な作品を発表し、松たか子や一青窈への楽曲提供、橋口亮輔監督の『ぐるりのこと。』(08)の主題歌および映画音楽、同監督の『ゼンタイ』(13)の映画音楽を担当するなど多方面で活躍。